2010年度 理事長所信
RESOLVE
~ 使命を感得し、今動き出そう ~
(社)高梁青年会議所 第38代 理事長 荻野晴司
【はじめに】
1973年。高梁の地に青年会議所の産声の上がったこの年は第4次中東戦争の勃発を発端に原油価格が高騰し、第1次石油危機に見舞われ、戦後初めてとなるマイナス成長を経験することとなりました。
折しも現在我が国は2008年9月のサブプライムローンの破綻に端を発する世界的金融不況により石油危機以来のマイナス成長を味わい、今後もしばらくは低成長を余儀なくされることが予想されます。それに加え三位一体の行財政改革による地方と国との結びつきの見直しは地方分権を着地点として着手されるも財源の移譲も進んではいません。
このように国内外からの資金循環の停滞は地方にとって受難の時代である現在の状況をより悪化させているのかもしれません。地方で活躍する経済人で構成される組織である我々にとっても活動に弾みのつきにくい時代であります。現在我々に容赦なく吹きつける逆風の中では精神的に委縮してしまい、ともすれば「JC運動に果たして意味があるのか?」と自問する、そんなこともあるかもしれません。
暗い時代の中にあっても我々はJayceeとして自らも含めた地域のあるべき姿を目指して行かなければなりません。それには我々一人一人が「明るい豊かな社会の実現」を使命として少しでもより良い方向へ向かうために現在の行動を決断して行く事が必要ではないでしょうか。
【組織の更なる進化を求めて】
" 2009年は新しい公益法人制度が施行されて初めて迎える事業年度であり、5年間を期限とする移行期間が始まった年でもあります。私はこの制度改革が現行制度上において存在を許された法人から新制度に合わせてその形態を変化させるという単純な図式としてはとらえていません。
この制度改革は我々の存在意義を自らに問いかける機会として、「高梁青年会議所とは一体何なのか、我々にとっての明るい豊かな社会とは何なのか」という命題を与えられているように感じます。我々はこれに対して、自らの足元、今まで歩んだ足跡、また地域の将来像から答えを出していく必要があるのではないでしょうか。組織は資産としての人材により構成されますが、組織の存在意義が依拠するところは地域のニーズを満たすために実施される事業ではないかと思います。
高梁青年会議所の地域における歴史そして未来について見つめていくことが、自分たちの中の活動の基準となる芯をつくり、我々が進むべき未来へと続く道に覆い被さる暗冥を除き破り、道を明るく照らす燈明となると私は信じます。
蒸気機関が登場した産業革命以来社会は目覚ましい発展を遂げましたが、膨大なエネルギーを消費した代償として温室効果から来る気候変動、近年に見られるような局地的な激しい豪雨等が発生し、2009年の中国地方内においても各所で被害が起こっています。
2008年に当LOMでは発災時における活動を規定した「災害復興支援活動規定」が策定され、地域における有事に向けた活動の仕組みは一応完成する事ができました。しかし仕組みを作ることがゴールではなく、今後も自然災害の発生が懸念されているだけに、それに対応するための取り組みが必要であると思います。"
【強く誇りあるJayceeを目指して!】
JC運動の基本的な理念とするところは三信条の「修練・奉仕・友情」という言葉に集約されます。私の入会した当初、三信条の最初に「修練」という言葉が来るのは、それが「一番重要だからである」と伺ったことがあります。社会人として日々仕事に従事し、決して景気が良いとは言えない時代に、その上JC活動を行っていくということは大変苦しいことかもしれません。入会の動機には様々なものがあると思いますが、ただ事業をこなすだけ、いやいや時間を過ごすだけでなく会員としての権利を存分に生かして頂きたいと思います。
「艱難、汝を玉にす」という言葉通り、己を磨いていくためには多少辛いこともありますが、JCだからこそ得られる貴重な機会を最大限に利用して自己の成長、目標に達する材料へと積極的に転化していって欲しいと切に感じます。そのようなリーダーシップ開発もJC活動において求められる成果の一つであり、真骨頂でもあります。志をもつ仲間とともに切磋琢磨して、地域の利益に資する人材がJCから一人でも多く輩出される事を目指します。
【地域の青少年の健やかな成長へのサポート】
地域における子供達は社会の宝であり、近い将来において社会を支える人材となっていきます。そのためには学校での教育、また社会を維持していくための家庭や地域等における躾等、様々なことを学んでいくことになります。我々もまた、地域に住む「大人」として子供たちがより良い方向に進むための実施可能な支援を行うことが必要ではないでしょうか。
教育とは広辞苑では「人間に他から意図を持って働きかけ、望ましい姿に変化させ、価値を実現する活動」と解説されます。子供たちをとりまく環境は時代の変遷とともに変化し、今では青少年に関しての様々な問題が噴出しています。私達は子供たちのより良い方向、望ましい姿に進んでいくための力を助長するための体験を提供するとともに、それが子供たちにとって生き生きとして活動的になれる機会、より良く生きるための価値観を受け取る場、そして学校を超えて共に刺激しあう交流の時間となることを目指していきます。
【愛する郷土の維持・発展のために】
我々の活動するエリアである高梁は、幼い時分には我々をやさしく包み育てくれました。そして学校で学び、友人と遊び、ご近所の方々と共にする日常を通じてつくられた思い出の深い郷土であり、大人となった現在では生活基盤としての、また仕事の業務活動の場としてのコミュニティであります。現在、高梁においても少子化、過疎化、財政危機、等の地方を悩ます問題に他地域と同じく突き当っていますし、また郷土の独特な案件では備中松山踊りの参加者、観光客の減少等が起こっています。
古くから農耕により生計を立ててきた民族である我々日本人は諸外国に比べ、とりわけ広い意味において “土地”に対する思い入れが大きいからかもしれませんが、そのような不利な状況にあっても高梁市が今も我々の精神的な背景において、そして生活していく上においても重要な位置を占めることは現在でも変わってはいません。我々を育んでくれた生活の場である郷土に対し、住民としての目線で、ささやかでも郷土で暮らすことにより味わえる「豊かさ」を実感できるために、我々でしか実施できない、地域社会から必要とされる貢献をしていかなければなりません。
【終りに】
高梁青年会議所はご存知の通り社団法人であり、大きな枠組みでいえば公益法人という分類に属する社会の利益を追及する事を目的とした非営利組織です。この追求すべき「社会の利益」は青年会議所では綱領において「明るい豊かな社会」の実現が大きな目的として示されていると思います。その目的を達成していくための活動が根ざす、人間の感情に近いものを、根源的な表現で言うならば「利他」という言葉がそれに当たるかもしれません。私達は40歳までという年齢制限のある団体です。その時間の中で毎年、各々が想いを巡らし、実践し、その年の成果を出していくことを命題とされています。私達が社会に付与可能な成果は直接的には対外的な事業を通じて、また間接的には青年会議所活動を通じてなされる自己の成長により上げていくことができますが、その成果物はすぐに得られるものばかりではありません。
しかし、物事の本質・あるべき姿に焦点を当てて活動していったときには、必ず手ごたえを感じる時があると思います。感動の無い人生は無為に等しいと私は思います。自らの心に「利他」の二文字を問いかけ、目的意識を明確にし目標を定めることで肚を決め、さらにそれが自らの「利他」の思想に裏打ちされる筋金の入った行動に昇華されるところ、成果へと近づいていく実感、そして感動を得ることができるのだと思います。さらにその取り組みが恒常化することで自己により良い変化をもたらし、JCとしてより強い組織へと変化を果たし、結果として地域の方々に我々の想いが波及していった時こそ、真に私達がJayceeとしての本懐を遂げたといえるのではないでしょうか。その日を目指し、共に目的意識を持って行動を起こして参りましょう。
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